Fado(ファド)とは
ファドはポルトガルの民衆が愛する伝統歌謡です。
Fadoとは「運命」とか「宿命」を意味することばです(英語ではFateという同じ意味の単語があります)。Fadoの歌い手をFadistaファディスタと呼びます。当初(19世紀に入った頃)ファドは最下層の人たちの歌でありました。ファディスタは、生活のために裏町の酒場などで、人生の悲しみなどを歌い上げました。音楽ジャンルとしてはフランスにはシャンソン、イタリアにはカンツォーネ、アメリカにはカントリー・ウェスタンやジャズ、日本には演歌があるようにポルトガルにはファドがあるという位置づけでいいと思います。
ファドは楽しい軽快な曲もありますが、私が聞いた中では、心に沁みるマイナーな感じが多いです。日本のわびさびでもないのですが、それに似た感じもあります。ポルトガル語の歌詞とポルトガルギターの透明感と微妙にビブラートする音、それにビオラ(クラシックギター)が底支えし、全体をつつむ伴奏が歌と一つになって聴衆に伝わって、正にサウダーデ(郷愁)という物を感じます。
私は、左写真のポルトガルのファドの本を持っていますが、タイトルの下に、英語で、Songs frome the soul of Portugal と書いてあります(下拡大写真)。訳すれば正にファドはポルトガルの心(ソウル)の歌という事ですね。